
今シーズンより新たなトレンチコートのオーダー受注を開始致しました。
より本格的な拘りの仕様となっておりますのでご紹介いたします。
トレンチコートの発祥について
Trenchを直訳すると「溝」、軍事用語では「塹壕(ざんごう)」という事になります。塹壕とは戦争において敵の銃砲撃から身を守るために陣地の周りに掘る穴または溝の事ですが、第一次大戦中にこの塹壕戦で着用するコートとして英国陸軍にて開発されたのがこのトレンチコートになります。その為に様々な特徴的なディテールを有しています。
今回の新型トレンチコートはそれらのディテールをなるべく忠実に採用しています。

防風・防雨対策用ディテール
トレンチコートの最大の特徴は過酷な環境下での防風・防雨対策。各所に当対策用のディテールが見受けられます。
- カフストラップ
強い風雨の際に、袖口より風及び雨が入り込まない様にする締める為の袖ベルト

- チンストラップ
衿元から入り込んでくる風や雨を防ぐ為、立てた上衿を前面から覆うようガードする生地
- ストームフラップ
両下衿をしっかりと前で合わせボタン留めをし、さらに上前の隙間から風が入り込まない様に右肩からその下衿を覆いかぶせる布

- フラップアンドボタンポケット
雨が入り込まない様にフラップを付けボタン留めしたポケット

- ケープドバック
雨の一番当たる部分は背中の上部、肩の後方になります。当部分に2枚を(二重に)縫い合わせたケープ状の生地のヨークを付ける事で浸水を軽減させています。

機能的なディテール
- エポーレット
本来は銃や双眼鏡を掛ける為の肩章

- スロテッドポケット
上記の防風防雨対策を取った時でもインナーの上着やパンツのポケットに手が届く様な構造の腰ポケット


- インパーテッドプリーツ&あおり釦
内側に向けた箱型のプリーツ。こちらも風雨の吹込みを抑えるための構造になっています。また、動きやすい様にプリーツ長は長めにしていますが、邪魔な時はボタンで抑える様、あおり留めのボタンも配しています。

生地について
- コットン及び混紡
本来のオリジナルのトレンチコートは撥水性のあるコットンギャバジンを使用。特に有名なのはバーバリー織りと呼ばれる糸の段階で撥水加工をし、さらに生地の段階でも撥水加工を施すコットンギャバジンになります。但し最近ではそこまで強い防水性に拘らず、コーデュロイや少々起毛した暖かみのあるコットン素材等、デザイン性を重視したコットンやコットンと他の混紡素材が多くなっています。


- ウールやカシミヤ
オーダーメイドとしてのトレンチコートの特徴としては、本来のミリタリーという無骨なイメージから脱却した高級感やしなやかさを取り入れたアレンジにする事が出来るというところが大きく支持されている場合が多いです。
今回の画像サンプルのトレンチでも基本の色こそアースカラーを使用していますが、生地は高番手ウールのソラーロを使用しており、高級な艶感が特徴で且つストライプ柄がさりげない個性を発揮してくれています。ソラーロに限らず、通常のスーツ地で仕立てると、ドレープも美しく都会的な印象を醸し出してくれます。
また、カシミヤ等の高級獣毛を使用する事も可能で、よりラグジュアリーな雰囲気を演出する事も可能です。


投稿者プロフィール
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横浜のオーダースーツ専門店
「BESPOKE.I テーラーアイハラ」
創業約70年の二代目店主。縁の下の力持ちでありたいをモットーに様々なオーダー品の提案を行っています。上質に触れて頂きたく日々奮闘中。




